2012年2月11日土曜日

トラジャ4

 町に雨が降り出すと、どこからか鳥がやってきて、盆地上の町の上をぐるぐるといつまでも飛び回る。鳥達に目をやりながら、ここに来てから見た光景を思い出す。
 古いスクーターに乗って岩の剥き出した不整地を1000キロ以上走った。時に雨期の泥濘した道を、時に谷沿いの道を落ちそうになりながら、子供を、農夫を後ろに乗せ、行く。ついた先では雨露に濡れていようが、疲れていようが、我々は常に道徳豊かな人間であることが要求される。牧師は純粋すぎるとも思える誠実さをもって、当たり前の様に一つ一つの仕事をこなしていった。
 そういう日々の、一度ではとても思い出せない瞬間、瞬間の断片が、混ざり合っては、雨空に浮かび、鳥達の回る軌道と共に消えた。残ったものは、血肉に混ざった思い出と、時々撮った写真である。明日、私は再びバリへ、山村へ向かう。

河川敷の石を割って売る少女。

石割り夫婦。

河川敷。


コーヒー農家。近頃はコーヒーの値段と労力が釣り合わず、畑の手入れがあまりされていない。土地の

コーヒーの皮を剥く。このコーヒーは製品となって日本へ行く。
北部、Sesean。

私のいた教会。

家の中が私の教室。


家の裏ドアを開けると広がっている光景。盆地上の地形に天地がより広大に見える。

山の上の村。時に歩いて、時に馬に乗って、人々は行く。
南部、Rano


隠れた歴史の遺物。イギリス製、水力タービン。村人は昔、日本人が持って来たというが、村人の歴史への認識はかなり低いから本当のところは分からない。
西部、Bittuang。

どこまでも続いている禿げ山は、長年の放牧によるものかと思われる。

これまで馬と人が通る道しか無かったが、最近道ができつつある。
南部、Bau


omake